高木裕美のCD

作曲家・後藤丹(ごとうまこと)氏

  ずうずうしくも私が勝手に「専属作曲家」と思い込んでいる作曲家・後藤丹(ごとうまこと)さんから今日、できたての譜面が届きました。日本の古謡「さくら」をもとにしたピアノ曲「さくら幻想曲」です。ちょうどこの春、桜のきれいなころに、「さくら」のピアノ独奏曲を書いていただきたいとお願いしていました。新作は未知の世界。譜面を開いて音をひとつひとつ響かせていく、魂を吹き込んでいく・・・。そこには、初演まで作曲家と私だけしか知らない神聖な世界があるのです。

 もう20年ほど前、音楽研究会でお目にかかり、同じ藝大の卒業ということもあって話が弾み、それ以来、機会あるたびに演奏を熱心に聴いていただり、音楽家として相談に乗っていただいたり、私にとっては兄貴分のような存在でお付き合いが続いてきました。海外での演奏活動が増えだしたころ、外国人に「日本人が書いた日本らしい作品を紹介してほしい」とリクエストされ、でも全くレパートリーがないことにショックを受けました。歌曲ならたくさん紹介できるのに・・・クラシックピアニストとしてクラシック作品を演奏することはもちろんだけれど、日本人として何かオリジナルな作品や日本を題材にした作品をレパートリーに加えたいと思い、後藤さんに相談したのでした。そして、日本の現代作曲家の作品資料に添えてくださったご自身の作品《故郷(ふるさと)による幻想曲》に私が感銘を受けて以来、私たちの共同作業は始まったのです。

 《雪》 《おぼろ月夜》 《夏は来ぬ》 《紅葉》 《クリスマスの贈り物》 《三国節幻想》 《大きな古時計》。どれも有名な旋律をもとにして私に書いてくださったオリジナル曲です。子供たちのために書かれた小品集《こどもたちへ》や、《ハッピーバースデー変奏曲》 《遥かなる海へ》、そして私にとって記念の作品《故郷による幻想曲》を集めて、2006年にはCD『後藤丹ピアノ作品集』を制作するに至りました。cd購入はこちらからhttp://homepage2.nifty.com/funfan/e-shop/e-shop.html

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 日本の国家のような「さくら」をもとに書かれた粛然とした美しい作品《さくら幻想曲》は、9月にカナダのリサイタルで初演します。12月のコンサート「ザ・ソナチネ」では、子供たちが大好きな「猫踏んじゃやった」を題材にした《踏まれた猫の物語》を初演予定です。Nekomusic_2

 

 

 

 

 故郷の新潟県をこよなく愛し、そこに定住しながら各地を飛び回り、様々な作品を書き続けておられる、言わば天才肌の後藤丹さん。私の性格や演奏を知って作品を書いてくださることにこの上ない喜びと感謝の念を感じながら、これからも作曲家・後藤丹氏の作品をピアニストとして大切に演奏していきたいと思っています。

  

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